ネットアダルトの部屋

６月３０日

友里は、朝から憂鬱な気分だった。
彼である雨宮紳一の問題が明るみに出ないように、自分が盾にならなければならないと心に決め、手紙を送ってきた男の要求を飲むことにした。
相手との交渉が成立したにもかかわらず、その後、男からの連絡がないまま一週間が過ぎていた。
ところが、昨夜、メールが届き、男からの指示が届いた。
その内容を読み、漠然とした想像をしていたとはいえ、衝撃を受けていた。
それは、明日一日、ブラとパンティを着けずに生活することを要求するものだった。
その内容を想像しただけで、眠れず、朝が来るのが恐かった。
結局、眠りはしたものの、睡眠不足と不安な気持ちで、朝からぐったりと疲れていた。

いざ、家を出る時から、違和感を感じ、誰かに気づかれるのではないかと不安感に襲われた。
家を出て、最寄の駅まで自転車で向ったが、サドルに当たる感触がいつもと違い、気になって仕方なかった。
駅に着いてからも、電車の中で人と触れるたびに、敏感に反応してしまった。
いつの間にか、全身が敏感になってしまい、人ごみの中にいることが、だんだんと嫌になってきた。
（周りの人がみんな痴漢に思えてしまう。なんか変な気分になってきたなぁ。）
目的地の駅までが、この日ほど遠いと感じたことはなかった。

学校についた頃には、どっと疲れを感じていた。
始業のチャイムがなり、授業が始まると、かえって集中でき、下着のことも忘れることができた。
早く終わって欲しい。そのことばかりを願っていた。

いつもの何倍も長く感じた学校での一日がようやく終わった。
今日は、とにかく早く帰ろうと思っていた友里の携帯に、メールが届いた。
悪い予感が当たり、そのメールは男からだった。
「ようやく学校が終わる時間になったね。どんな気分で一日を過ごしてたのかな。
それでは、今日二つ目の命令だ。帰りに、○○駅で下車し、観覧車のあるビルの前に来るように。
着いたら、メールをしなさい。」
家に帰ってしまえばと思っていたが、やはり甘かったようだ。
仕方なく、また、重い気持ちで、指定の場所へと向った。

そこは、いろいろと話題になった２４時間営業のホームセンターで、
建物に観覧車があることで有名だった。
スピードが遅く、一周に時間が掛かり、若いカップルが、二人だけの時間を過ごすのに使うこともあると友人の噂話に聞いたこともあった。
友里は、そこに到着すると、メールで指定の場所に着いたことを送信した。
しばらく待つと、男からメールが届いた。
「それでは、今日最後の命令をする。
その観覧車に乗り、観覧車の中で、上半身裸になり、
窓に胸を押し付けなさい。その後で、証拠写真として、
上半身裸の写真を撮って、写メで送りなさい。」
最初、メールを読んだ時、身体が固まってしまった。
そんなことできるはずがない。と思った。
街中で、上半身裸になり、胸を晒すなんて、できるはずがないと思った。
でも、やらないと、彼が破滅する。
私がなんとかしないといけない。
その思いだけが、友里を後押しする。

どうすれば、人に見られないか、考えた。
結論としては、最上部に自分の乗ったカゴがある時なら、誰にも見られないはずだと思った。
写メも、顔を映せとは書いてないのだから、恥かしいが大丈夫と考えることにした。
なんとか、自分を納得させ、友里は、観覧車の乗り場へ向う。

観覧車のカゴが友里の前に来る。
開いた扉の中に入り、外から閉められると、
全身がまた敏感な状態になっていることに気づいた。
自分がこれからすることを意識し、身体が反応し始めていた。
いつの間にか、胸の突起の先端がチリチリとした感じになっていた。
そして、硬くなり始めていることにも気づいた。
（私、どうなってるの？体が感じ始めている？どうして？）
友里は、外の景色を眺め、心と身体を落ち着かせようとしたが、逆に、敏感な部分が気になってしかたなかった。
カゴは、中間点を過ぎ、さらに上に向う。
前のカゴと後ろのカゴには、誰も乗っていなかったはずと思い、ちょうど反対側のカゴを見た時、制服を着た男女がキスをしながら抱き合っているのが目に入った。
慌てて目を逸らしたが、友里は、動揺していた。
また、身体が中から熱くなってくる。
（どうしよう？今、写真を撮ったら、男に気づかれるのではないか？）
しかし、もう時間がなかった。
そろそろ準備しないと、誰にも見られない位置で、すべてのことが終わらない。

覚悟を決め、友里はブラウスのボタンに手をかける。
そして、ボタンを外し終わると、手早く脱ぐ。
これで上半身はＴシャツだけになった。
乳首がますます硬くなっているのがわかる。
（私、この状況で感じてる？興奮してる？どうして？）
ますます動揺が激しくなる。
そろそろ最上部が近づく。
友里は、思い切って、Ｔシャツを捲り上げる。

きれいな稜線を描く、若々しく張りのある乳房。
うすい桃色の乳輪と、硬く膨らんだ乳首が鮮やかだ。
豊かに膨らんだ胸は、自分でもきれいだと自信を持っていた。
その自慢の胸を、まさかこんな場所で、露出することになるとは思ってもいなかった。
恥かしさと同時に、軽い心地よさ、興奮の波が押し寄せてくる。
男の指示に従い、胸を窓ガラスに押し付ける。
冷たいガラスに押し付けられ、乳房が歪み、乳首が潰れる。
（気持ちいい。）
友里は、不覚にも快感を覚えていた。
だが、まだ男の命令が残っていた。
慌てて、鞄から携帯を取り出し、自らに向けて、シャッターをきる。
フラッシュの閃光を浴び、また、身体が反応する。
（誰かに見られている。）
実際には、見られたわけではないが、そういう錯覚を覚えた。
あそこの奥から、トロッとした蜜があふれ出るのを感じた。
（私、濡れている。あぁ、こんなことで濡らすなんて。）
友里は、混乱していた。
理性では、やってはいけないとわかっている行為なのに、身体が、反応してしまっている。
自分がわからなくなった。

と、自分の置かれている状況を思い出し、慌てて、Ｔシャツを身に着け、ブラウスに袖を通し、ボタンをとめていく。
そして、一瞬の躊躇の後、男に写メを送信する。
観覧車がどんどんと高度を下げ、終着点が近づく。
観覧車を降り、店の外に出た時、メールが届く。
「なかなかいい写真が撮れたね。すばらしい身体だ。
今日のところは、合格だ。彼は命拾いしたね。
今度の命令も、木曜日に送る。楽しみに待っているんだ。」
男のメールを読み、これで終わりではないという事実を再認識させられた。と、同時に、今日感じた身体の変化が気になった。
緊張感と不安感で、身体がおかしかったのだと思いたかったが、自分の秘められた本性ではないのかという、別の不安が襲ってきた。

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