ネットアダルトの部屋

真由美は、今年２７歳。
二年前、学生時代から付き合っていた二歳上の信二と結婚し、
仕事を辞め、専業主婦になっていた。
結婚当初は、日々の新婚生活に夢中であったが、
結婚後、仕事が認められ、営業主任となった信二は、
地方への出張が多くなり、家を留守にすることが増えた。

出身地から離れて暮らしているため、
付き合いがある友人も少なく、
孤独感を深めていた。

そんな真由美にとっての楽しみは、
ネットを見ることになっていた。
最初の頃は、生活雑貨やファッションなど
普通のサイトを見ていたが、
信二とのすれ違いが増え始めてからは、
いつの頃からか、アダルト系のサイトを見る機会も増えた。

そんなある日、真由美は、ライブチャットサイトと出会う。

サイトを訪れる男性とチャットして、
相手にあわせて、普通に会話したり、
エッチな話題に付き合ったり、
時には、アダルトな行為にまで及ぶこともある。
そして報酬を得る。
それがライブチャット。

サイトには、嫌なことはしなくてよいし、
顔を出す必要もないと書いてある。
ただ、ある程度は男性の要求にも従わないと、
継続することが難しいとある。

真由美は、寂しさを紛らすことと、
小遣いを得ることにも興味があったが、
最近は、アダルトな興奮にも興味を持っていた。
迷った末、真由美は登録することにした。
信二には内緒にして、カメラやマイクを購入し、
ネットにあったハウツーサイトを参考に、
思い切って、以前から興味のあったおもちゃまで購入した。



真由美は、「さゆり」という名前で登録した。
ハウツーサイトに書いてあったように、
キャミソールに下着という服装で、
モニターの前に座り、
カメラの位置を合わせ、
顔は口元しか映らないように調整した。

なんとも言えない緊張感を味わいつつ、
サイトにアクセスする。

（これから、何が起こるのだろう？）
（どんな人がチャットしにくるのだろう？）

そんなことを考えながら、
真由美は、ログインし、「さゆり」となった。

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